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第37章 欲しいもの

悩ましい声を聞いてしまったら。
この声に魅了されてしまったら。
もう、逃れられない－。
硬く、勃（た）ち上がった自分自身はもう既に、ジーンズの中には留まり切れない程になっていた。
切なさに華夜子が身体を捩る度。
彼女の白い太腿に彼自身が擦れ、陸は果てに持って行かれそうな意識を、唇を噛む事でどうにかやり過ごす。
もういいだろ－頭の片隅で、もうひとりの自分が囁く。
彼女のそこから下着を剥ぎ取り、今すぐ屹立したものを、一突きに挿れてやりたい。
最奥まで彼女を貫き、欲望のままひたすら激しく腰を動かしたい。
声が嗄れるまで彼女を啼かせてやりたい。
狂ったように律動を繰り返し、絶頂を迎えるその瞬間の、蕩けきった彼女の顔を見てみたい。
その顔を見届けたら、彼女の中に残らず、放ってやりたい－。