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蕩けるようなキスをして
第6章 好きな女
「華夜子、すげー生意気で可愛くないから、だめ」
懲りないというかなんというか、最高に意地の悪い笑みを張り付け、陸は互いの呼吸を感じるくらいの距離まで接近してくる。
柔らかそうな栗色の髪の毛。
長い睫。
通った鼻筋。
薄い唇。
細い顎。
清々しい匂い。
温かな息。
胸が高鳴ってしまう。
なんでもないのに。
なんでもないに決まってる。
「…その台詞、そっくりそのまま、あなたに返すから」
掠れた声で、華夜子はどうにか、告げる。