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蕩けるようなキスをして
第42章 もう一秒
その距離から、彼女の香しい吐息に乗せられて。
困ってない-虚しさ襲う陸の耳に届いた、声。
自分の耳を疑った。
彼女の声を幻聴ではないかと疑(うたぐ)った。
恐る恐る、陸は華夜子と視線を合わせた。
その瞳は、穏やかだった。
華夜子の唇は、囁いた。
「私は、困ってないよ。陸-」







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