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蕩けるようなキスをして
第43章 訊きたいこと
なんの心の準備もないまま、突然陸に問われ、華夜子は咄嗟に応える事が出来ない。
もしも訊かれたら、いつでも答えよう-思っていたのに。
実際は、隠し通すつもりではないのに、言葉がどうしても出てこない。
そんな彼女の様子に、陸もまた、迫る事もせず。
言いたくないものを、無理に言わせることは出来ない-そう判断した彼により、この問いは敢え無く、終了となった。
繋いだ手を握り直し、大学の正門を出、駅に向かって歩き出す。
会話もなく、決して軽やかとは言い難い足取りを、駅に向かって進める。
程なく。
ふたりの間に流れる沈黙を破ったのは、陸。
「華夜-」
名を呼ばれ、華夜子は俯いていた顔を、彼に向けた。
一週間前。
自分の部屋での出来事。
彼女が、自分に放った、ひとこと。
もしも訊かれたら、いつでも答えよう-思っていたのに。
実際は、隠し通すつもりではないのに、言葉がどうしても出てこない。
そんな彼女の様子に、陸もまた、迫る事もせず。
言いたくないものを、無理に言わせることは出来ない-そう判断した彼により、この問いは敢え無く、終了となった。
繋いだ手を握り直し、大学の正門を出、駅に向かって歩き出す。
会話もなく、決して軽やかとは言い難い足取りを、駅に向かって進める。
程なく。
ふたりの間に流れる沈黙を破ったのは、陸。
「華夜-」
名を呼ばれ、華夜子は俯いていた顔を、彼に向けた。
一週間前。
自分の部屋での出来事。
彼女が、自分に放った、ひとこと。

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