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蕩けるようなキスをして
第45章 夢の翌日
六時限目の講義が終わり、講義室を出た直後。
いきなり背後に、右腕を引っ張られた。
バランスを崩しかけたところで、後ろから両肩を掴まえられる。
振り返らなくても分かる。
今、誰の手に、支えられているか。
いつも、どこに行くにも、自分を優しく包んでくれている、彼の-。
「華夜、連れて行ってもいい?この後、約束あったりする?」
一緒に講義を受けていた留以と、もうひとりの女友達に向かって、陸は確認する。
突如、話し掛けられ。
一瞬固まっていたふたりだったが、やがて同じように首を振り、否定する。
「今日は、もう帰るだけ-」
留以が言い終わらぬ内に、陸は華夜子の手を握り締めたかと思うと、有無を言わさぬ力で廊下を歩き出す。
何事かとただ見送るしかない留以達をそこに残し、陸は玄関に向かい、華夜子の手を引っ張り続ける。
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