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蕩けるようなキスをして
第46章 蕩けるキス
「前にも言ったけど。あの声を聞くと俺、我慢ならなくなるんだよな」
「…」
「誘ってきてんのかと思ってた。違ったならごめんね」
知ってて笑ってくる陸に、華夜子は悔しくて睨んでやったが、効果などまるでないのは明白だった。
「…も、いいでしょ。そろそろ-」
-私から、離れて。
華夜子は乱れたブラウスを手で押さえつつ、自分を組み敷く陸に、その身体を退(ど)けてくれるように頼む。
陸は、それには答えずに-自分に見えぬよう、必死に胸元を掻き集める華夜子の両手を優しく掴み、そこから避(よ)けさせた。
華夜子の肩が震える。
今度は何をされるの-彼女の表情に怯えが見てとれ、陸は思わず、苦笑してしまう。
「なんもしねーよ」
言って、さっきはひとつ残らず外したボタンを、今度はブラウスの下側から、順に嵌め直してゆく。
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