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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第8章 【八話】脅迫状
「このさ、契約期間も曖昧だよね。周りが玲那さんの安全が確保されたと思っていても、護衛をしている景臣が『安全』宣言をしない限り、玲那さんは解放されないでしょ? だから、玲那さん側から契約の終了を申し入れてきたら、景臣はそれを必ず受け入れなければならないということを入れたいんだけど、どうかな」
「……いいだろう」
「へー、もっとごねるかと思ったけど、意外にあっさり同意したね」
「俺が筒宮家を支援し続ければ、そういった申し入れをされる可能性はゼロに近いからな」

 玲那の両親は『景臣』というスポンサーを得たことできっと満足しているだろう。しかも筒宮の名を背負ってくれるという。景臣よりも条件がいい相手が現れない限り、玲那に拒絶するように言ってくるわけがないと読んでいるのだろうが、間違いではない。
 そして今までそんな相手がいなかったところを見ると、景臣より条件のいい相手が現れる可能性はほぼないだろう。
 そして、玲那自身が両親に相談することもなく独断で行動することはないということは、これまでの付き合いで景臣はよく知っている。
 それに、玲那としても、どんな形でも景臣の側にいられる理由ができたのだから、拒否する訳がない。
 だから追加する意味がないのではないか。

「小牧さん、その条項は新たに入れる必要はございません」
「いやいや、いくらなんでもバランスが悪すぎるよ。入れていても問題ないし。……あ、あと、もう一つ」
「なんだ」
「この契約、景臣側から解除することはできないって入れてもいいかな」
「なんでだ」
「だってさ、景臣が有利過ぎるし、景臣の都合で『やーめた』は身勝手過ぎるよね」
「入れてもいいが、俺から解除と言わなくても、そう仕向けた場合はどうする?」
「やりかねないねぇ。そこも盛り込むか」

 小牧は赤ペンを取り出すと、契約書にごりごりと書き込みを始めた。

「うん、これでいいね! すぐに直してくるから、ちょっと待ってて」

 小牧はそれだけ言うと、契約書とファイルを抱えて部屋を飛び出して行った。
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