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幸せの時効
第7章 困惑
 体も心も温かなものにくるまれていた。体に巻き付いた相模の腕に気がついて目が覚めた。甘い痺れを下肢に感じ、身じろぎすると声をかけられた。

「高島さん、おはようございます」
「相模検事正……おはようございます」

 掠れた声で応えると体をきつく抱かれて囁かれた。

「こういうときはですね、名前で呼んで欲しいのです。男は……」
「だって名前は知らないもの……」

 相模は体を少し離すと、私の顔を少し驚いた顔で見下ろした。

「……遼太郎です」
「遼太郎……さん?」
「気の置けない仲間はリョウと呼んでいます」
「そう呼んでほしいのですか?」
「あなたに……呼んで欲しい……」

 リョウと小声で呼ぶと、相模は私の唇を塞ぎ、乳房を手のひらで揉み込んだ。脚を少し開くと、そこに体を差し入れてきた。
 昨夜繋がった場所に熱く滾ったものを差し込まれ、二度目だからか痛みはなく、かわりに疼きを感じていた。軽く達し荒い吐息を漏らしてはまた唇をせがむ。

「……あなたに溺れそうだ……」

 切なげな声で漏らす言葉に心と体が反応する。繋がったまま唇を何度も重ね互いの熱を交換した。
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