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小田桐菜津子と七つの情事
第3章 甘い舌の三人目


銀幕では、シャンゼリゼ大通りを初老の俳優が気取って歩いている。
でも、彼の後ろをついていく売出し中の若手俳優は、怖気づいて腰が引けている。
その後ろから、スーツを着たツアーコンダクター役の有名女優さんが、ぷりぷり怒りながら歩いている。いわゆる珍道中ってやつなのかな?
どうやら喜劇のようだ。
ただ、話の筋がさっぱり判らないので、なんでこういうシチュエーションになっているのか、理解できない。

理解できているのは、隣に座っている女性のショーツの奥はもう、ヌルヌルだってことだ。

フフ。

思ったとおり。やっぱりこういうの、弱いんですね。
指先をスカートのさらに奥に差し込む。メールで約束したように、細いTバックをつけてきてくれたみたいだ。ショーツのふちのラインを、指先でそーっとなぞる。
彼女のカラダが小刻みに反応するのが判る。

脚の付け根をたどられて、内腿の素肌を撫でられて。
しかも公衆の面前で。
映画館の最後部席。右端の二座席。

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