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「また おいで」
第4章 かごの中の鳥

ずっとカバンの内側に手があったのだ。


 (痴漢!!)


とっさに逃げようと体を動かす。

が、思うように動けない。

私が気づいた事を察知したのか

さっきより動きが大きくなる。

お尻のあたりをねっとりと撫でてくる。

大きくて厚くてごっつい手。

手の感じからすると、セクハラオヤジみたいな。

飲み会でおねーちゃんを触りまくっているような。


位置からすると後ろ。

周りの人に気づかれたくないけど


 (誰か気づいて!)


心の中で叫んでる。


誰も気づかないのか

気づかないふりをしているのか・・・


怖いけど

怒りにも似た感情も湧いてくる。


 (固まっちゃ、ダメ!!)


そう自分に言い聞かせる。

顔を見てやろうと思うけど

後ろにピッタリ人がいて振り向けない。

それを楽しむかのように

オヤジの手は、更に大胆に私のお尻を掴んでいく。
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