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第6章 ここにいない人

まるで自分から溢れ出る雫が美和の唾液であるかのように、美和が舐めているかのように滑りを擦り付け撫で上げる

彼女の舌に見立てた自分の指が浮き上がった筋をなぞる



「ｸｯ…」



龍青の腰が微かに震え、堪えきれなくなった身体が彼の自慰の手を早めさせた

美和の口が激しく上下し、龍青のモノを強く吸う



「あぁ……っ」



先ほどよりも大きく腰を震わせ、龍青は果てた

美和の口内に出されたはずの白濁は彼自身の身体を淫らに汚す

だがもう止められなかった

それがたとえ現実でなくても、彼女を抱きたい

一つになりたい



「美和…入れるよ……」



龍青は自分の欲望の身勝手さから目を逸らし、美和を抱き続けていた−−−







「……」



暗い部屋の中で一人ため息をつく



「無理だ……」



愛せない−−−