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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第6章 ここにいない人



惹かれたのはその温もりだった

だがその全てを受け入れる優しさと強さに甘え、失ってからそれだけではなくなっていたのだと気付く



真面目過ぎる性格も、時折見せる不器用な甘えも、

心も身体も美和の全てを愛していたのだと。





頼りたい

頼られたい

優しくしたい

奪いたい

一つに、なりたい−−−



どうしようもなくなった時より一層その想いが募るのが分かる



「は……」



ふと現実に返り、凪は口の端を歪めて笑う



"男ってのは本当にどうしようもないな……"



真っ直ぐに美和を想った為か、彼の欲望は隠れることをやめていた

ここにいない彼女を求めて硬く勃ち上がり、その本能を顕にしている



「……ッ」



そっと触れた彼の指に彼自身のソレはぴくりと反応する

この僅かな感覚にさえも欲の塊は蜜を溢れさせ始めた



「……」



すっかり熱くなったシャワーの雫が俯く彼の額を伝ってソコに落ち、蜜と共に流れ落ちてゆく



「っ……まだだっ…」



まだ足りない

美和と繋がったのは僅かに二回

その間しっかりと心を通わせることも出来ず、ただ互いを求め合っただけで終わった



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