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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第7章 合わないカケラ



外を歩きながら凪は長く息を吐く



甘えてしまいそうなものは全て棄てた

逃げ道はもうない

あとは、彼女のもとへ行くしか−−−



「それが出来たら最初から苦労してねぇよ!」



人気のない道で凪は落ちていた空き缶を強く蹴る



あともう少し

もう少しなのに−−−



「おー? 和泉じゃねーの?」

「久しぶりだなぁ、最近暴れてねーじゃん」



そんな凪の前に現れたのはいつかのチンピラだった

三年以上も前に美和を攫い、凪を負傷させた奴らだ



“まだやってやがったのか……いつもいつも面倒な時に出てくるな……”



だが今の凪には彼らを相手にする気力も、苛立つ余裕さえもなかった



「あ? 無視してんじゃねーよ」



黙って通り過ぎようとした凪をリーダーの腕が阻む



「怖いのかよ。堕ちたもんだなー、和泉も」



あっという間に三人に囲まれてしまった



「……どけ」

「いい子ぶってんじゃねーよ! あんだけ色々やっといてチャラになると思ってんのかあぁ!?」

「あ」



チンピラの一人が思い出したように手をポンと叩く



「そういやさ、あん時の彼女、元気?」



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