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第2章 リョウという男。

リョウは疲れ果てていた。アースリングランド1番の都市、トルキオを歩く足取りも重い。
ブティックのウインドウに映る自分は幾分痩せているような気がした。

50年前、ブイユ星人に降伏した地球人は三種類に分けられた。

一定の知能指数と運動能力を持った地球人をエイペクス。
エイペクスは、家畜である地球人でありながら、アースリングの管理など、ブイユとの橋渡しを役割とする。

そして、これまでの地球人の営みをそのまま担うミドル。
エイペクスから漏れた地球人である。

そして、それからも外れた知能指数、運動能力に劣る地球人はボトムと呼ばれ、街はずれの広大な敷地に、まさに家畜のように飼育されていた。
管理番号を刻まれた首輪をつけられ、質素な衣服を纏い、男は単純な労働力、女はブイユの繁殖のために生き、エイペクスに管理された生活を送っている。

「どうしたものか・・・。」

ため息が夕暮れの空に浮かぶ。

リョウはエイペクスの中でもエリートである。
先程ブモスと会したトルキオタワーに入ることを許された数少ない地球人の一人なのである。