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支配された惑星
第7章 決断
ルミカはリョウの後ろ姿を見送り、いてもたってもいられなくなった。

不甲斐ない自分が情けなかった。


ルミカはリョウに恋心を抱いていた。
遠い過去、リョウは覚えていないだろうが、子供の頃ルミカがエイペクスの住宅街に迷い込み、エイペクスの子供らに虐められていたところをリョウは助けてくれた。
身分の違いから、差別的な言葉を浴びせられていたルミカを庇い、子供たちを追い払ったリョウの姿をルミカはずっと覚えている。

リョウが結婚した時はショックだった。
でもアイリは素敵な女性で、リョウに似合うのはきっと自分なんかよりもこんな女性なんだと自分に言い聞かせた。


嫉妬?

アイリが拐われた時、内心邪魔者がいなくなったと思った自分はいなかっただろうか?
これでリョウを、身分違いでも愛することができるのではないかと思わなかっただろうか?

醜い感情がルミカを襲う。

憎い、アイリは生まれつきエイペクスで、供出の恐怖も無く、憎い、高級な物を身に付け、美しく生きていく。憎い、でも自分は・・・。

このままアイリがブイユの家畜となれば・・・。

いい気味だ。逆転だ。
このまま、アイリが助からなければ全てうまくいく。
自分にとってこれほど幸せなことはない。



ウチはアイリさんが嫌いだ。





・・・いや、違う。






「だって、ウチは・・・アイリさんも、大好きなんだもん・・・。」


ポロポロと溢れる涙を拭いもせず、ルミカは包帯を乱暴に取り去った。


「ウチが助けに行くからね。」
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