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水流金魚
第2章 金魚の移り気
 優しく、優しく、繊細な工芸品を扱うかのように指を体に這わせた。

「んっ……ちょ、お風呂」

「大丈夫だよ。花さん、いい匂いがする」

 密部に舌の感触が伝わる。本当はいけないことなのに何年かぶりに'愛'感じてしまった。

「花さん、どうしよう。花さんのこと欲しい」

「私も」

 ベットは私の蜜でびっしょりで。有り得ないと思っていた年下に心を奪われてしまっていた。気づいてしまった。私は、旦那の淡白なSEXでもなく、優祐さんのドSで乱暴なSEXでもなく、本当はこんな風に優しく女の子として接して欲しかったのだ。オバさんが何を言っているのか、だけれど、求めていたことはソレなのだ。

「花さんの良すぎ……も、俺……」

「いいよ」

「あっ……あぁ」

 二人は控えめに声をあげて果てた。終わった後は、優しくぎゅっとしてくれて、お風呂で体を流した。家にあるボディソープのお試しを使って。本当は、一緒のものを使いたかったけれど、香りで咲ちゃんのことがバレることは避けなければいけないから。家の近くまで送ってもらってバイバイをした。

「今日はありがとう」

「こちらこそ」

「またね」

「うん、またね」

 またねが嬉しくて笑顔になった。けれど、同時に離れることに悲しさを覚えた。ああ、私はまた現実に戻るのか。
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