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いじっぱりなシークレットムーン
第9章 Lovely Moon
 

 朱羽を求めた熱い夜は、続くよね?
 終わりじゃないよね?

 朱羽を見ていると愛おしさが募って、切なくなってきた。

 ああ、このひとが好きだ。

 そう思い、朱羽の背中に静かに手を回し、胸に顔をつけて寄り添った。
 
 この温もりに包まれただけで、幸せの喜びが全身に広がる。

 呟かずにはいられない。

「好き……」

 朱羽の心臓が、少し早めにトクトク動いている。

 朱羽が生きているということが嬉しくてたまらない。

「本当に大好き……」

 朱羽の胸板に唇を押し当てる。

「あたしは、ずっと朱羽のものだよ?」

 すると、突然ぎゅっと抱きしめられた。

「やめろよ、そういう可愛いことを、ひとが寝ている時にしたり言ったりするの。知らなかったらどうするんだよ」

 少し不満げで、気怠げな声が聞こえる。

「お、起きてたの!?」

「ん……寝てたよ?」

 寝起きだから少し掠れて、色っぽく聞こえる声。

 あたしを抱きしめたままもぞりと朱羽は動き、絡ませた足を動かすと、さらに裸の恥部も密着した。

「ん……」

 まだ眠いのか、あたしの頭の上で微睡んでいるようではあるが、下腹部同士の距離を開かせたいかのように邪魔する、この大きなものどうしよう。

 お腹で挟むように、きゅっと潰してみた。すると反撃くらったように大きくなり下腹部をノックされる。

 いやいや、別に刺激加えているわけじゃないから。

 横にずらしてみようとちょっと触ったら、その熱さにあたしが悶えた。

 少しだけ、触ってみようかな……。

「悪戯しないの!!」

 本体に怒られた。

「せっかく鎮めようとしているんだから、刺激しない」

 朱羽のとろんとした目があたしを見た。

「あなたが寝ちゃって俺も眠くなったから、買いに行けなくて……」

 避妊具の話か。

「残りはなし?」

「ひとつ」

 朱羽はあたしの唇にちゅっと口づけてくる。

「また今度にする。陽菜、疲れさせちゃったから」

 物言いも眼差しも、なんだか可愛い。
 
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