この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第10章 Funky Moon
 

 ***


 どうしても洗い物はあたしがしたくて、そして明日の簡単な仕込みもしたいために、朱羽に先にお風呂に入って貰った。

 朱羽との快楽にすぐ負けてしまうあたしだけれど、実生活でやれることはきちんとして、必要以上に朱羽に甘えるのはよしたい。

 前準備がすべて終わった頃、タイミングよく朱羽が戻ってくる。

 眼鏡を外した顔で、纏っているのは真っ白なタオル地のバスローブ。

 鎖骨付近が見える襟の部分から漂う色香に、鼻血がでそうだ。

「え、パジャマ派じゃなかったの?」

 鼻を手で押さえながら尋ねる。

「そうだけど、どうせすぐ脱いじゃうから」

「……っ」

「なに赤くなってるんだよ。俺、夜中裸で寝ちゃうって前言っただろ?」

「あ、ああ……そういうことか……そうだよね、あはは」

「だけど陽菜のいやらしい考えも、あたっているけどね。一週間分、抱くから。ゴムもちゃんと箱もたくさん用意したし」

「……っ」

 ストレートに言われて沸騰したあたしの頬を、朱羽は笑って指で軽く弾いた。そして冷蔵庫から缶ビールを取り出し、プルタブを引き上げて飲みながら、冷蔵庫の中身を見て首を傾げた。

「いつもなにもない冷蔵庫に、なんか形を変えて色々入っているけど……。このまん丸のふたつ、なに?」

 それは――。

「ショートニング使った、アップルパイの生地」

「あのショートニング、アップルパイを作る気だったの? だからシナモンとかバターとか」

「……あの、嫌いだった?」

「そういうわけじゃない。ショートニング使ったアップルパイって、アメリカンスタイルだろ? だから向こうのこと思い出しちゃって」

「ええええ!? アメリカなの、それ」

 本場で暮らしたことがあるひとに、無謀な試みではないのだろうか。

「本で?」

「いや、千絵ちゃん……」

 不自然にどもってしまった。

 千絵ちゃんとスイーツの情報交換をよくしていたのだ。

「これだったらそんなに手間がかからないから、いいかなって。お林檎美味しい季節だし」

 千絵ちゃんのことを振り切るように、元気な声を出した。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ