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いじっぱりなシークレットムーン
第10章 Funky Moon
 

 鏡の中の朱羽の視線にたじろぎ、少し視線を外して答えた。


「……あまり、想像出来なかったの。このマンションにあたしが住んでいる未来が」

「………」

「あは。高級すぎて庶民には贅沢だから「それが真実ならいいのに」」

「え?」

 朱羽は目を伏せ、あたしの頭の上に頬を寄せた。


「ここに俺とあなたが住んでいないということは、別のところで一緒に住んでいるからかもしれないじゃないか」

「あ……」

「あなたが感じたのが予兆ならきっとそうだ。もしそうだったら、きっと俺は……」

「朱羽?」

 苦しげな目と視線があった。

「このマンションと俺だったら「朱羽に決まってるでしょ」」

 言い終わらないうちに言い切ると、朱羽は嬉しそうに笑った。

「俺は、あなたを離さないよ」

「……ん」

「離れる未来はないから。それは今から覚悟してて」

「……わかった」

 頷くあたしの肩に、朱羽の唇が押し当てられ、ちゅくちゅくと唾液たっぷりに柔肌を舌と唇を這わせながら、首筋に上がってくる。

 あたしの息が乱れる。

「想像の俺と、どっちがいい?」

 意地悪く聞きながら、耳を舌でなぞられる。

 鏡の中のあたしは、蕩けるような顔をして、朱羽の愛撫に耐えていた。

「言ってよ、どっち?」

 朱羽の手が襟から中に入り、優しく乳房を揉まれる。

 同時に耳の穴に朱羽の細い息がかけられ、ぶるりと身震いをする。

「想像なんか嫌。朱羽がいいっ」

「ふふ……。どうされたい?」

「いっぱい触って。いっぱい愛して」

「……お姫様の仰せのままに」


 叫んだ瞬間腰で結んでいた紐が解かれ、鏡の中のあたしは、バスローブを羽織ったままの裸を晒した。

 朱羽が唇で耳を愛撫しながら、後ろから手を伸ばして、あたしの両乳房を指で強く上下に揺らし、やがて指の間から乳房の柔肉をはみ出させるようにして、ゆっくりと円を描くように揉んでくる。

「あぁぁあ」

 朱羽の人差し指に胸の尖りが潰されてるのだ。胸が動く度に焦らされてたまらない。

 朱羽に愛されて薄紅色になった乳房。

 そんなあたしを朱羽は鏡の中からじっと見ながら、首筋をべろんと舌で舐め、その上を息を細くかけてくれば、ざわざわとした……軽い悪寒のような快感が生じる。
 
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