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いじっぱりなシークレットムーン
第10章 Funky Moon
 
「なんなの、理性壊しそうなその色気。なあ、陽菜。惑わせるのは、俺だけにしろよ。他の男は誘惑するなよ?」

「誘惑なんか……」

「してるよ。唇は奪って欲しいとそんなに濡れて、甘い吐息を出してせがんでいるし、手のひらから余るあなたの胸はそんなに艶めかしい色をして」

「……っ」

 朱羽は手を伸ばして、あたしの腹をさする。

「表面はこんなにすべすべしているというのに、この中に挿れたら、熱く濡れた襞が一斉に蠢いて、俺に絡みついて離さない」

 静かにその手は動く。

 まるであたしの中に挿ってきたかのように。

「奥までざらついた壁を強く擦ってあげると、きゅうきゅうと収縮して俺をさらに奥へと誘う」

 朱羽は妖艶に笑う。

「思い出して? あなたが感じる俺の形」

「……っ」

 秘部がひくつく。

「俺、あなたの中でどんなに幸せそうに動いてた?」

 あたしの瞼が震える。

「どこまで大きくなって、あなたの中で気持ちよさそうになってた?」

「……嫌」

 蜜壷が震えて、想像出来ない。

 考えてただけでイッてしまうそう。

 この、何でも見透かす朱羽の……熱情を秘めた熱い目に。

 この、気怠そうに甘い声音を出す声に――。


 その目で、あたしを見ないで。

 その声で、あたしを悶えさせないで。


「……ぁっ」

 あたしの唇から、ため息のような吐息が漏れた。


「欲情してる?」


 あたしの肌を余すところなく愛してくれる、柔らかな唇が、揶揄するようにつり上がる。


「本当にあなたは、俺を欲しがるね」

 これ以上意地悪されたら、羞恥にゾクゾクして変な声が出そう。
 
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