この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
 

「あなた以外の女性に、揺れたこともなかった。俺の身体はもう、あなたにしか反応しないように作られているんだよ」

 朱羽がそうした純粋なことを言ってくれても、あたしは沢山の男と関係した身の上だ。冗談ではないほど、あたしの身体は穢れきっている。

 だから、あたしも同じと言えずにごめんと言うと、朱羽は笑った。

「別の場所で出会うのなら、きっとあなたは満月の秘密なんてなかった。あなたが満月の秘密を持っていたから、あなたはあのバルガーにいて、そして俺は……あなたに男にして貰ったんだ。そういう過程がない別ルートも、どんなものだろうと面白いとは思うけどね。……俺にはそんな程度だ。あなたが穢れてるなんて思ったことは、今までで一度もないし、これからもそう思うことはない。……前にも言ったと思うけど」

 嬉しい。

 凄く嬉しい。

 どんな環境で育っていても、必ずその人生の先に朱羽が居てくれるのなら、あたし幸福だ。

 散々と満月のことで悩んで苦しんだけど、それがあったから朱羽と巡り会った奇跡に感謝したい。


「っくしょん」
 
 なんだか夜風が身に染みて、くしゃみが二回出てしまう。

「寒い?」

「ちょっとね。風邪を引いているわけじゃ……って、え?」

 朱羽が裾の長いコートを開けて、その中にあたしを入れコートで包んでくれた。

「これで俺も温かい」

 後ろから抱きしめてくる朱羽の息が、あたしの首筋にかかる。


「今夜あなたを抱けない分、少しでもあなたの熱と匂いを感じさせて。これで……我慢するから」

 あたしも朱羽の熱と匂いを感じながら、夜道、しばし抱き合っていた。




 ……それは、まるで嵐の前の静けさ――。


 忍月財閥の後継者である忍月朱羽か、シークレットムーンの香月朱羽か。

 朱羽を巡る嵐が、すぐ傍まで来ていたのだった。

 


 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ