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壊してほしい
第3章 染めたいよ
『ほら!
ボブカット、新鮮~~~』

洗面所で洗い、
乾かしたらしい髪。


ジーンズ姿によく似合う。


こうして見ると酷くあどけない。

氷月は雫石を抱きしめた。


『?どうしたの氷月さん』


『いや…………あんまり可愛くて』


雫石は目を見開いた。
そして、にっこり笑って言う。

『また一つ氷月さんに変えて貰った。
嬉しくて堪らないよ私』

氷月を見上げる。



唇と唇を合わせて抱き合う。



あどけなくて、
儚くてでも強そうな雫石。



氷月は女の子を目の前にして涙が滲んだ。


ぐっと堪える。




______一体いつの間に…………

こんなに好きになっていたんだろう。



氷月は雫石が現れたあの日から、
静かに静かに変化していた自分の気持ちを今更ながら不思議に思う。



倒れていた家出少女。




(よかった。

ウチの前で倒れてくれて)


そう思った。



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