パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第7章 二人だけの時間に

　少年の純真無垢な瞳に晒され、ホテルに戻ることにした俺と真ではあったが。


「お、お客様！　どうなさいました？」


　全身ずぶ濡れの俺たち二人の姿は、当然そのロビーにあって迷惑千万。


「申し訳ない……ちょっと、戯れを」


　と、とりあえず粗相を詫びた俺たちは、そのままホテルの大浴場へと案内されるより他はなかった。


　そうして――


「ふう……」


　温泉が引かれている訳でもない、何の変哲もない浴場で、俺はようやく一息をつく。やや弱い照明の中で白い湯気の立ち込める、ほどほどの広さの浴槽には、俺の他に七十くらいの老人が一人気持ち良さげに調子外れの鼻歌を奏でていた。


「……」


　昨日の今頃は全く予想してもいない情景は、幾分大袈裟ではあるがまるで異空間の如し。先程の海での愚行を取り上げるまでもなく、そこから今に至る俺は甚だ通常運転の俺ではなかった。

　それが面映ゆくもあり、それでいて愉快にも思えている。