この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホントの唄(仮題)
第10章 想い、知らされて

「用事は、よかったの?」


 と、あっさりと訊かれた。

 その気遣いが僅かでもあるなら、あんな急き立てるような電話してこなけりゃいいんじゃないすかねぇ……。

 相変わらず、その精神構造がイマイチ把握できない。今の若い奴らが全部こうなのでは、と思いふとこの世の行く末を憂いてみるが、恐らくそんな筈はなかろう。この女が特別にフリーダムなだけなのだ。

 真は口元をクリームでコーティングしながら、モグモグとクレープを食している。返事を待ちながら、曇りのない両の瞳で在るがままに俺を見つめていた。


「まあ、なんとかな」


 そう答えながら、吸い込まれそうな瞳を見返す。そうしながらも脳裏では、駅で別れた際の上野さんとの会話を反芻してゆく。



「今日、聞いた話を俺から真に話すことはありません。貴女と会ったこと自体が秘密なので、当然と言えば当然ですけどね。それで、差し出がましいようですが――真が帰ったら一度、二人でよく話し合うべきかと。最後に、それだけお願いさせてください」


「はい、そのつもりです。だけど、少しだけ不安ですね……」


「どうして?」


「母親とのことは、やはり私の心に止めておきたいと思っています。その上で話し合ったとして――果たして、あの子が私に、新井さんのせめて半分でも心を開いてくれるでしょうか……」


 上野さんは胸に手を置き、心許なげに話していた。

/400ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ