この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホントの唄(仮題)
第11章 縋り付き、頼む

    ※    ※


 部屋の前、隙間から灯りの洩れるふすまを、俺はそっと開いた。


「……」


 出て行った時と全く同じ――そんな背中が、部屋の片隅にポツンとしている。

 やれやれという顔で、それと少し距離を置いて腰を下ろした。座机の上にある湯呑を片手に、冷めたお茶を一口、ぐっと喉に流す。


「ちょっとだけ、いい訳をしてもいいか」


「……?」


 真は無言であったが、その耳を欹(そばだ)てたのが、わかる。

 その様子を眺め、俺はゆっくりとその話を始めていた。


「もう、ずっと昔の話になるんだが――」


「……」


「俺がまだ学生だった頃だ。当時の俺は、同じ大学の同期生だった女と付き合っていてな――」


「……」


「あれは、調度。俺が四回生に上がる少し前のこと。その彼女が、大病を患って入院していたのは――そんなタイミングだった」


「――!」


 真が徐に振り向き、俺と顔を合わせた。
/400ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ