この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ホントの唄(仮題)
第12章 高崎家の人々

    ※    ※


 俺の実家(? なにせ、二十年とかく帰ってないもので)は、俺の住むアパートから車で一時間ほどの距離。間に小さな町を挟んで、その先の市内であるのだが――。


「ここって――?」


 車を降りて、真が不思議そうにそう口にしたのも、無理はなかった。


「オジサンの家――じゃあ、ないよね?」


 その言葉通り、そこはどう見ても個人の住居ではなく――というか『料亭』と記された看板が丁寧に門の横に出ている。


「なんか――一席、設けられてしまってな……」


 その料亭は地元では割と名のある店で、俺も一応は認識しているのだが、何せ無駄に敷居の高いことから実際に訪れるのは、今回が初めてだった。


 来ては見たが、流石に場違い……だよな?


 思いつつ自分はともかくとして、俺は隣に立つ真の姿を改めて眺めた。


「ん、なに?」


 俺の視線に、そう小首を傾げた真自身は、まるで臆した様子はない。しかしながら、その服装はあまりにアンバランスなものだった。

 髪を上げ帽子を被せ、更に眼鏡とマスクを着用。服装は全体的にダボダボにして、身体のラインをぼやかしている。ボーイッシュとかではなく、男か女かわからないようにしたい意図が滲むが、はっきり言ってそれは望みすぎであり、逆に只々、妙な雰囲気を醸し目立っているだけのような気もしている。

 まあ、それも万一にも身バレすまいと、俺が指示したことであったが。品の良い料亭の構えを前にしてしまえば、その違和感は否応なく際立っていた。

/400ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ