パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第13章 別れは劇的ならずとも

「ああっ……職探ししねーと、このまま野垂れ死ぬぞ」


　発破をかけようとした自身の呟きに、更に追い込まれている。それが死ぬほど面倒くさく感じられて、本当に駄目な人間になってしまいそうだ。

　いや、待てよ。親父との件とか、俺だって俺なりに――ああ、それも真が隣にいてくれたからなのか？　――と、そんな風に思えた。

　真のこと――こんなにも大事の思っていたのかと、今、明確にそれがどれ程のものか実感している。

　もう、手に入らないもの。手に入れては、いけなかったもの。いや、違うだろ。これは必要な過程であったんだ。そうと、決めた筈。

　真にとって、そうあってほしいと願うのなら――俺が、それを引き摺ってる訳にもいかないんだ。


「畜生……妙なことだけ真面目なんだよな、俺って……」


　そんなことを呟き、とりあえず俺はベッドから起き上がってゆく――。