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淫風の戦記
第3章 桔耶の誤算
三人の女が香羅の屋敷で過ごした夜から三日が経った。

香羅は枇杷の報告を受け、南方国との誼を結ぶ方法を模索している。
枇杷は中和薬の成分を調べている。

桔耶は-。峰島にいた。

先の戦では峰島の損傷も大きかった。あえて香羅の奇襲を受ける形で始まった闘いは、宇輪水軍の上陸を許す前提だった。港での攻防が長引けば、香羅は即座に奇襲が読まれていたことに気づき、作戦を変更していただろう。彼女の船の背後を獲り、戊辰と黒須で裏をかく作戦も実行できなかったはずである。その意味では、茂里水軍は、港が破壊され、多数の犠牲を出すことを承知の上で「香羅捕縛」に賭けていた。
しかし、結局、香羅を捕らえることが出来なかった。

茂里法眼(もりほうがん)。茂里水軍の指導者である。
茂里水軍に頭領の世襲はない。前の指導者が亡くなった時点で、水軍を構成する五家の主が協議し、次の指導者を選出する。世襲で頭領の座に着く宇輪水軍よりも、ある意味で民主的である。しかし、実態は、談合、密約、買収、脅迫、時に暗殺まで、様々な手段が講じられて選出の日を迎える。要するに、前の指導者が亡くなった時点で、五家の中で最も力のある人物が弱肉強食で指導者になるというだけのことだ。
法眼も歴代と同じように指導者になったが、やり口は歴代の中でも特に悪辣だった。そんな人物が十年近く敵対してきた宇輪水軍の頭領を討取った。彼の威勢が絶頂に達したことは想像に容易い。
しかし…香羅である。彼女が新たな宇輪水軍の頭領になってからは連戦連敗。法眼の威勢は陰った。法眼の香羅に対する怒りと憎しみは極まるばかりだった。

戊辰が茂理水軍を訪れ、「香羅捕縛」の手助けをすると申し出たのはそんな折である。法眼は手を打って賛同した。味方の犠牲などどうでもよい。煮え湯を飲まされた蛟姫を捕らえ、清楚凛然たる姿態を凌辱し斬り刻む残忍な欲望が、彼の決定の全てだった。

「戊辰!どういうことだ!」

法眼は戊辰を問い詰める。戊辰は慇懃な態度で詫びを入れるが、法眼は収まらない。

「斗真には港の修復費用を支払ってもらいたい!」

法眼の要望は、まずこれである。
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