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淫徳のスゝメ
第3章 私が最も華やいだ頃のこと


 みゆきさんの設問は、次第に猥褻さを増してゆく。月のものが下りる期間、淫らごとはどこまでするか。セックスにおいて結合部位は提供するか、提供させるか、リバーシブルか。また、ヴァギナかアヌス、尿道どれを好むか。ヘテロセクシャルやバイセクシャルが回答者である時は、口や乳房の谷間、脇なども選択肢に含まれるらしい。設問には、肉体の各部位の感度や膣口の柔軟度が実際に確認される項目もあった。



「鞭打ちは好き?イエスの場合、する方?される方?」

「どっちも好き」

「セックスにおいて繁殖は目的に入ると思う?」

「思わない」

「万が一メンバーが妊娠したら、彼女にどのような処置を行えば良いと思う?」

「破門じゃない。ただし、強姦なら彼女に否はない。とりあえず男を殺して、生まれた子供は裕福などこかの家庭に養子縁組させるとか」

「ところで、貴女はサディスト、マゾヒストどちらかに該当する?」

「サディスト寄りだよ。ソフトなのが良い」

「そうなの……?」


 みゆきさんの表情に、存外と言いたげな気色が現れた。


「庶民の女を、……母娘揃えていたぶっていると聞いているけど」


「ああ、直美のこと。確かに、直美とふみ子には一般にソフトとは呼ばれないことをしているわ。ただし、私は彼女達に報酬だって与えている。仮にも私のお父様は、国政を動かしている人。彼曰く、現実はピラミッドなんだって。裕福層であればあるほどその人口は限られるし、下へ移るほど数の方は広がっている。つまり、労力は後者の方が豊潤なんだ。庶民はいくら働いたって、人数が多い分、痛手はない。だから、私は直美達に働かせてあげているの。可哀想な低所得者の苦しみを、少しでも緩和してあげて、しかも直美の可愛らしさに免じて、お父様達のぼったくりの被害にも遭わないよう確定申告もさせていない」

「そうだったの……。確かに、庶民は働くことが義務だわ。でも確定申告はさせなくてはダメよ。私のお母様や、貴女のお父様達の給料が減っては困るから」

「ごめん、覚えとくわ」
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