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淫徳のスゝメ
第4章 私が天涯孤独になったこと


「この子さっきからイヤーンしか言わないよ。鳴き声?癖?」

「オヤジに身体売ってた頃に覚えたんでしょ」

「仏野さん変態!あれ?ここ、また脹れてきてるよ」

「全裸で腰振って乳首勃ててるの!ってか笠野ちゃん、バイブレーターもっとやってあげなくちゃ可哀想じゃん」

「文句言うなら代わってよ。こいつ不細工なくせに体力だけはあるものだから、私、手、痺れてきちゃった。仏野さん汚いものどんどん垂れ流してるし、火照るわ滑るわでやりづらいったら」


「ぅっ……ゔゔ…………あっん!あんっ、いやぁぁっ……あっん!いやっぁぁんっっ…………」


「またイヤーんって鳴いてる」

「ほんとやばいんだけど。我が校から変質者が出るなんて、お母さんが知ったら泣くわ」

「仏野ちゃーん?貴女、皆に嫌われてるのよ?どうしてくれるの、このこの」


「んんっ……ぶ……ぶぶ……んんん!!」


「やだっ、ブタの鳴き声!」

「痛い痛い痛い!!」

「あ、人間の言葉喋ってる」


「ひぐぅぅゔゔゔぅぅぅぅううう!!っっ…………」



 島浦さんの二本の指が、私の目頭を突き上げた。

 鼻腔が開け、鼻中隔の薄膜に、爪が切り込む。


「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ーーーーー!!!」


「鼻血出させちゃった」

「大丈夫?杉本さんっ、早く消毒してきなさい、淫乱が伝染(うつ)るよ──…」

「全く、貴女が先生にチクるから、私達こうして体罰してあげてるのに、少しは反省しているわけ?」

「うっぐぐ……」

「はーい、仏野さーん、今からバイブ一つ増やすけど、イッたら今度はペニスの刑ね」

「つくづく隅に置けないわ。私達や先輩のご親族だけじゃ飽き足らず、蓮美先生にまで股を開いていたなんて」

「私達のことどんな風に喋ったかは知らないけど、そういうことするの名誉毀損っていうのよ。貴女なんて不細工なメス、可哀想だから遊んであげているだけなんだから」

「ゃ、めて…………ぁっぶぶ……ゆるし、でぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"…………」



「こら!!何をやっている!!」


 狼藉から解放されたのは、突然のことだ。

 男のしゃがれた怒声が響くや、笠野さん達は一目散に駆け出した。


「こら!君達!」


 彼女らの一人にも追いつけなかった──…追いつかなかった教員は、美園史紀(みそのふみのり)、ベテランの数学教師だ。
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