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淫徳のスゝメ
第5章 私の暗黒時代のこと







 私が命運を徒消すれば、命運が私に罰を与えることは既に痛感していたが、例の裁判が始まってまもなく、私は律子の身の上に、私自身に重ねるようになっていた。

 お義母様は偏見を抱えかねて、寝床にこもる時間が増えた。マスコミや世間の連中は、言わずもがなだ。傍聴席でも問題の企画展に関する批判より、彼らの律子を貶めたがる魂胆が強い。それらみっともない攻撃は、やはり私に向けられることも稀にあった。



 私は、律子との決別を決めていた。


 元々、律子は私が少しばかりこの田舎でも快適に暮らせるための手駒に過ぎなかった。このところは唯一評価すべきだった肉体も肉体と見なせなくなっていたし、まして田舎者の庶民らなど、否、本性を剥き出しにした人間達など、人間ではない。つまり彼らと生涯を同じ土地で暮らすくらいであれば、正直、有本さんの刺客に始末された方が潔かった。
 丸井を通してそうした心情をお兄様に伝えていたのが数日前、もとより昔から私を贔屓にしていた彼は、表向き妹とは絶縁したにも関わらず、どうやらボディガードの選別を進めているらしい。



「来週には七人送られて参ります。元警察官の男が四人と、姫猫様のメイドが二人、それからカムフラージュの佳子さんという娘が一人。佳子さんは遊様の愛人の一人で、良家の娘ですが、労働に興味があるようです。親御さんが大変な心配性で、遊様が屋敷で働くことを提案し、奉公の件は内緒のようです」

「大丈夫なの?箱入り娘は大抵覚えが悪くて、私、また怒ってしまうかも知れないわ。それに護衛が揃ったら、私は国内を出るのに」

「遊様も近々、姫猫様に会いに来られます。その時に、佳子さんには業務の継続意思をご確認されるようです。護衛達の腕は確かです。姫猫様はもちろん、万が一のことがあっても、佳子さんにも危害は及びますまい」
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