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淫徳のスゝメ
第2章 私が享楽的親友に出逢うまでのこと


「きゃあっ、この子、本当にやったわ!」

「きよらちゃんいやらしーい」

「こんな刺激の強いこと、まともな頭では出来ないわ……」

「可哀想に。きよらちゃんが当分はこんな苦労をしなくて済むよう、私達が主張させてあげる」


「なに…………何するの?!」


 少女らは、きよらを再三、取り押さえた。

 由里子が、スクールバッグから油性マジックを引き抜いた。

 きよらの真っ白な臀部に、今しがたの文句が殴り書きされてゆく。



 ワタシハ インランノ ヤリマンデス。



「やめて……やめて、下さいぃぃ……」

「そうねぇ。さっきとまるで同じにするのは、やめてあげましょう。面白みがないわ」

「じゃ、貴女が書いて」


 由里子が香澄に油性マジックを握らせた。

 天衣無縫の箱入り娘が、娼婦のような同級生を前方に向かせ、恥丘にペン先を押しつける。



 ワタシハ 不特定多数ノ カチクデス。



「香澄ひっどーい!」

「不特定多数って……ふふっ、やばいじゃないの」


 少女達がどっと笑った。

 スマートフォンのシャッター音が、また、きよらの顔を蒼白にした。
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