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《愛撫の先に…》
第2章 《交渉成立!?…》
結城のキスは優しく触れるかのように感触を確かめ、一瞬唇を離して彼女を見ると一言小さく呟いた。
『わからない』
彼は左右に首を振り“まさか”という表情を浮かべた。

『驚いた顔なんてしないでください、不意討ちのキスなん――、!!…ん…』

喋りかけた開いた菜々美の唇に再び結城がキスをしてきた。
顎に手をあてられ顔をそむける事も出来ない。

涙が彼女の頬を伝う。
ひどい…
ひどいひどい…
あたしのファーストキスだったのに!

何かを確かめるかのような彼からのキスは、先ほどの優しいものとは違い無遠慮で密着していた。

結城が顔を傾けキスを深めると、彼女の顔をくすぐるように金髪が頬を何度もかすめる。

やだ…息が出来な……
息継ぎなしのキスなんて…髪が頬にあたってくすぐったい…

菜々美は彼の胸元のスーツを掴んでいたがキスが深まると、だらりと手を離していた。

『わからない…見えてこない…』
彼はまたそう言って唇をむさぼった。

やだ…
この人のキスって力が抜けていくようで…

ふらついた菜々美に気づいた結城は彼女の背中に腕をまわし引き寄せた。
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