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《愛撫の先に…》
第7章 《感情のおもむくままに…》
車は慣れた道のようにナビを使う事もなく菜々美の住むマンションに着いた。
バック駐車して停止して3分が経つが菜々美はただ前を見ている。
『………着きましたよ』
『………』
『菜々美さん?』
『………あっ』
慌てて降りようとドアの取っ手に手をかける。

『慌てて降りなくていい、君に会うまでに予言も済ませているから大丈夫』

『あたしに会うまでに?』

傷口に塩を塗らないで!
あたし予言なんて聞きたくない!

『さよなら』
告白までしたのに全然気持ち弾まない…
電話の相手は翔子さん…
名前と写真でしか知らない翔子さんにあたし負けている…――――!

止めると言いながら結城さんは予言なのね…
相沢さんが言うように依頼する女の人は結城さんを軽く視ていたらどうなるの!?
結城さんが可哀想!
あたし結城さん自身を大切にしてほしいの!
なのに…

『さよならなんてどういう意味だ?
告白までしておいて訳がわからない』
結城は左手で菜々美の右腕を掴み彼女の動きが止まった。

『あなたは遠い存在なの』
『訳がわからない』

『翔子さんの存在が羨ましくて…』
『翔子は何も悪くない』

『予言はいつまで?』
『最後の依頼人まで裏切れない』

『ばか…』
『俺は君より7つ歳上だ、
オムライスを食べたというのに不機嫌なんですね』

『さよなら!
あたしに勝ち目なんてない』
『君は訳のわからない事ばかり!
黙らせるには―――』

『!!―――ん…』
結城の右斜めから不意打ちキスは甘くはなく唇をむさぼるよう…――

“さよならなんてどういう意味だ?
あの告白の後の高瀬の後は?
菜々美は変わらずに高瀬を好き!?”

『レッスンには泊まりの用意をしてきなさい』
結城はキスの後言いはなった。


もどかしい想い…
伝わりそうで伝わらない…
2人はそれぞれ自宅にて眠れない夜を過ごす事になる。
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