この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
《愛撫の先に…》
第4章 《波紋…》
見上げると確かに結城啓輔だった。
『奇遇ですね』
『どうして…どうして居るの?』
『居ちゃおかしいのですか?泣きそうな顔をしていますよ』
結城はクスッと笑い菜々美の肩に手を置いた。

『あたし…あたしアポイントメントを…中谷専務に会いたくて…謝罪をっ』

『謝罪?手に抱えている物と関係が?』

結城は菜々美をロビーの椅子に座らせ、
彼も隣に座りゆっくりとした口調で促す。

話し終えた彼女の頬から涙が伝い彼が黒のハンカチをあてがう。
『連れの彼からは連絡は?』

『約束があるからって誰かを待ってるみたいな喋り方で…見つけたなら俺が構う余地はないだろ?って。
だから1人でここに…』

『忘れたのは君が悪いけど座ってつぶしたお客のせいにしないで、
君1人で責任をとろうと謝りにきたんだね』

『はい…専務の気持ちを無駄にしてしまって今日中に会いたくて…』

『良い娘だね…責任から君は逃げない…』

ポニーテールにした菜々美のうなじに結城の右手が、慰めるようにそっと触れる。
『俺は中谷さんに会っていたが今はまだ応接室に居るはずです。
一緒に行きましょうか』

『結城…さん?
どうして…?』

『大嫌いだと言われても君は大事な契約者だからね』
『どうしてここに居るの?どうして中谷専務と知り合いなの?
アポイントメントすらなしの親しい友人?』

『友達という言葉じゃ納得いきませんか?』

中谷専務は白髪混じりの髪をオールバックでまとめメガネをかけ、
どことなく穏やかな喋り口調から同年代よりも品が漂う。
『親友の親父さんだと言えば納得しますか?』

『はい…』


結城に連れられ10階の応接室のドアをノックする。

何度か来てプレゼンした部屋とは異なり高そうな家具、趣味の良いテーブルや皮のソファーが目を引いた。
『わざわざ?』
『はい…あたし…私の不注意でした!
今日中に謝りたくて!
ごめんなさい!』

『誠意だね、
江崎さん結城くんの客にはない人材だよ』

『結城さんの客?』

『契約だよ、結城くんの契約』
『中谷さんっ、余計な事』
結城は少し表情を変えた。
結城さんどういう意味?
/223ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ