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《愛撫の先に…》
第4章 《波紋…》
それから30分後、
菜々美は陽子のマンションのバスルームにいた。

あちこちにつけられたキスマーク。
胸に残る掴まれた跡。
そして2人のベニスが入った違和感。

『くっ……わあぁぁぁん』声を出して泣く菜々美、
脱衣室に着替えを置いた陽子はドア越しに見守っていた。

30分後、リビングで。
『ありがと陽子…
迎えにきてもらって…』

『いいの…
びっくりしたけど…
2〜3日後落ちついたら何でそうなったか話してね』
『泣いたら少し落ちついた…今話して忘れたいの…』
時々涙を浮かべながら話す彼女の背中は震え、
陽子は肩を撫でながら気長に待った。
『――中に出さなかっただけ感謝したら?って……
破かれた下着も服もどうやって身に付けたか…わからない……。
誰にも見られないように店内を出て陽子がくるまで隠れて……』

『菜々美…――』

はっきりした物言いの性格の陽子だがこの時ばかりは菜々美を抱きしめ、
自分の事のように泣いた。
『一緒に寝てくれる?』
菜々美はそう言って陽子へすりよった。

『菜々美、
高瀬とはどうするの?』

『さよならする』

『高瀬だけが男じゃないわ、傷が癒えたら新しい恋をみつけようね』

『恋なんてしない』

『セックスは?』

『しない、したくない』


菜々美のこんな決意とはうらはらに、
陽子の携帯に返信メールが届いていた。

【高橋陽子様
日にちを変更してもらえるならば要望を叶えてあげられそうです。
折り返し返信を待っています】


返信は次の朝になり、
菜々美の精神状態を考えプランを変更する事を余儀なくされた。

【彼女の都合が悪いのですか?】

【違います、彼女は乱暴されたんです…―――】

【どうして?何故?】

【つまらない男達の遊びにされたのよ、
彼女は彼氏もいらないセックスもしないと決めたらしいの】

【………男もセックスも諦めるつもりですか?】

【だからプランを変更してデリケートに扱ってほしいんです】

【わかりました】

親友を思う陽子。
―――菜々美に内緒で秘密のプランが練られている事など知るよしもない。
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