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果てのない海に呑まれて
第24章 始まりは皆
「……」
そんな少年たちを見下ろす大小二つの影。
話の内容までは聞こえないが、彼らのその空気だけは十分に伝わってきていた
「お前、断るってのも時には重要だぜ?」
「ファルツと聞いただけで謙ってるお前には言われたくない」
「別に謙ってるわけじゃねぇよ! 単純に尊敬してるだけだ。
でもお前は違うだろ」
「俺だってレオン様のことを……」
クリスは真面目な面持ちで小さく首を横に振った
「お前がレオン様を本気で慕ってるのは見りゃ分かるさ。でも黙って言うことを聞いてんのはその為じゃない。
自分の身を守る為だ」
「何言って……」
「オレもここの人たちから見たら異民族だ。分かるだろ? この髪色」
クリスが濡れて張り付いた自分の前髪を指しながら言う
その赤みがかった茶の髪色にミゲルは頷いた
「人に認められる為にオレは付き合い良くするようにしたんだよ。
対してお前はどうだ。ハナから人を敵認定して警戒して、深く関わらないようにしてるだろ」
心の内にその言葉を確かめるように俯くミゲル。
「なぁ、オレたち実は似た者同士だと思わねぇか?」
仲良くやろうや、とクリスが笑いかけた時、二人の頭上から縄が降ってきた
ミゲルはすぐにそれを手に取ると、クリスの方を振り返って真っ直ぐに見つめた

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