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果てのない海に呑まれて
第6章 新たな道へ



そう言いながら肩に触れられて初めて、リリアは自分が何も身につけていないことに気がついた



「……っ!」



慌てて薄い布を引き寄せ、シュミーズと服を探す

だがベッドの周囲には何もなかった



「お前が探しているのは、これか?」



困り顔のリリアの頭上でレオンはそれらを振ってみせる

その顔は明らかに彼女の反応を面白がっていた



「……何のつもり」

「可愛い気がないな。そこはくださいと頼むところだろう」

「誰が貴方なんかに……」

「それともそのままの格好で外に出るか? まぁ私は別にそれでも構わないがな」

「……っ」



衣類を持ったままレオンはドアの方へ一歩近付く

リリアは悔しそうに唇を噛んだ



「……分かったわよ」



変わらず反抗的な目を向けたまま、深く息を吸う



「その服を、ください」



一気に吐き出すようにそう言った



「……」



にも関わらず、レオンは顎に手を当てて考え込むような仕草をした

もちろん本気で何かを考えているわけではない



「そうだな……くれてやってもいいが、私の言うことを聞くという約束を守れるか? 私に常に従うと」

「そんな……」

「お前は昨日の勝負に敗けたからな。それも合意の上での勝負だったはずだが?」


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