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果てのない海に呑まれて
第6章 新たな道へ



リリアの様子に気が付いたレオンがそう問い掛ける



「ええ、とても……」



リリアは放心状態で頷いた



「フッ……そうか」



微かに笑われたのに気が付いてはっとする

慌てて言い訳しようと口を開いたが、同じように海を見るレオンに何も言うことが出来なかった



彼の目は自分と変わらない純粋な喜びに満ちていて、彼女も同じ感動を持ったことに本気で嬉しそうな顔をしていたから−−−



「きゃっ!」



レオンの表情に注目していたリリアは急な船の揺れに足をふらつかせた



「おいおい、気をつけろよ」



レオンはそれをすかさず支えると、



「降りるぞ」



と言ってリリアを舷門に誘導した



先を行くレオンの後を慎重に降り、なんとか陸に立つ



「そういえば」



続いて降りてきたミゲルが背後から声をかけてきた

例のナイフのことを思い出して体を固くするリリア



「お前、船酔いはしなかったのか?」

「えっ、船酔い?」

「ああ、そういえば平気そうにしていたな」



確かに、初めて船に乗るのに全く不快感を催さなかった



“けど……”


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