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果てのない海に呑まれて
第6章 新たな道へ



“綺麗……”



こんな状態なのに、リリアはその美しさに息を呑んだ



「……?」



リリアの舌から力が抜けたのを感じ、レオンは唇を離して不思議そうな顔をする

が、リリアは既にいつもの険しい表情に戻っていた



「こんな所でするなんて……っ!」



レオンを睨みながら強く非難する

夕時で街の住人の姿は見えないが、まだ荷降しをしていた船員たちがちらちらと此方を見ていた



「不意に可愛い態度を取るお前が悪い」

「……!?」



先ほどしがみついたことを言っているのだろうか

リリアは図らずもそんな行動をしてしまった自分を呪った



「おい、馬鹿やってないで行くぞ」



船員にこれからの指示をし終え騎乗したミゲルがため息をついて先に行く



「では、行こうか」



レオンもリリアに向かってそう言うと、馬の腹を蹴って自分の屋敷へと向かったのだった−−−


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