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わたしはショートケーキが嫌い
第4章 トレンド


「はい席つけ、席つけ静かにしろ」

担任が朝のホームルームが始まるよりも早い時間に教室に入ってきて、騒がしい生徒たちに席につくよう指示した。

騒がしいクラスメイト達は担任の指示通り椅子を引き席につくと、ゴホゴホと2回咳払いをして担任が重そうに口を開いた。

「‥‥知ってる人もいると思うが、昨夜長谷部 美咲さんが事件に巻き込まれました。みんな心配だと思う。先生も心配だ。クラスメイトが大変な事件に巻き込まれたんだ、動揺して当然。だがしかし、SNSで事件に関する事を書くのはやめてほしい。心配で長谷部の無事を祈るのはいい事だ。けど、やはりその書き込みを面白がる人間は必ずいる。だから今後は長谷部に関しての書き込みは禁止します。そして今から全校集会がありますが、みな騒がず落ち着いて参加すること。分ったか?」

長々しい言葉と禁止事項を建前で話した担任は、話し終わると早々にクラスメイトを廊下に並ばせはじめた。

担任だって分かってるはずだ。
そんな禁止事項をこいつらに伝えたところで言う事を聞かないことは。
こいつらが純粋に心配してSNSに書き込みをしてないと。

けど、上から指示されたから言っただけ。
わざとらしく眉間にシワを寄せて悲しそうに言っただけ。

「全校集会も騒がしくなるんだろうな」

「‥‥ああ」

恭平の言葉に俺は頷いた。


『辛い時はその辛い時のことを書き換えればいい。そうすれば楽になる』

手首の切り口から出る血をセーラー服のスカーフで止血しながら言っていた長谷部さんの言葉が頭の中で再生される。
放課後の夕日に照らされている彼女はそう言って泣いていた。
俺も一緒に泣いていた。

「書き換えればいい‥‥か」



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