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わたしはショートケーキが嫌い
第5章 はじめての宗教



二人で泣きながら見つめ合う。
幸せになれなかった二人で。

「私ね、たまに見る夢があるの」

「どんな夢?」

「手を繋いで歩いてる夢。それだけなのにすごく幸せな気分で、夢だけどその夢を見た時は幸せになれた気がするの」

フフっと柔らかく笑いながら美咲ちゃんはそう言って僕の涙で濡れた頬を両手で包んだ。

冷たい手。

「その夢だけが、私の支えなの。あなたはある?そういう幸せを感じること」

「あるよ」

「教えて?」

僕は美咲ちゃんの冷たい手に自分の手を重ねて答えた。


「美咲ちゃんが笑ってくれれば幸せ」







美咲ちゃんは僕の光で、僕の幸せ。
だから君のためなら僕は喜んで死ねる。

君が望むなら僕は殺人犯にだってなれる。

だって僕は長谷部 美咲を崇拝する信者だから。
君が僕の全て。


ねぇ、次は何をしてほしい?
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