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わたしはショートケーキが嫌い
第6章 関与している(疑惑)



俺は黙りを決め込み、テレビから目を逸らした。
嫌なニュースだな本当に。

スクールバッグを肩から掛けてリビングのドアに手を掛けると、お袋が俺を呼び止めた。

「あんたご飯は?」

「いらね」

朝飯を食わないのか聞いてきたお袋に対して、俺はそんな短い言葉を吐いて家を出た。

胸糞悪くて朝飯なんか食うきしねーよ。

きっとみんな騒いでるんだろうな。
お袋と姉ちゃんみたいに。

なかなかない事だ、騒がない訳がない。

スクールバスの停留所代わりになってる寂れたラーメン屋の前には、俺と同じくスクールバスを待つ学校のやつらが朝からザワザワしていた。
いつもならみんな元気なくスマホいじってるか、音楽聴いてるかなのにやけに騒がしい。

何となく分かっていた。
どうしてこんなに騒がしいのか。

「朝のニュース観たか!?あれうちの学校のやつだよな!?」

騒がしい会話の中で、そんな話が聞こえてきた。

「観た観た!あれヤバくない?確か2年の子だよね?」

「顔見たけどめっちゃ美人な。誘拐されたとか言ってたけど、今頃ズッコンバッコンされてるよな」

「お前長谷部 美咲知らねぇの?美人で有名だぞ?」

「にしても、母親滅多刺しにされて父親フルボッコの末ちんこ切断ってエグいよな」

耳を澄ませて聞けば、やっぱりみんな長谷部の話しかしてなかった。
中には笑いながら話てるやつもいて、さっきよりも胸糞悪い気持ちになった。
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