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わたしはショートケーキが嫌い
第6章 関与している(疑惑)



教室に着くと、避けたい話題が容赦なく耳に入ってきた。

長谷部の誘拐事件と長谷部の両親が惨殺された話だ。

とりあえず俺はその話に触れずに自分の机にスクールバッグを掛けてスマホを開いた。
きっとTwitterでも派手に騒がれてるに違いない。

Twitterのアプリを起動させると、長谷部という文字が虫のように沸いていた。

なんなんだよ、この長谷部に関する書き込みの量は。
トレンドを見てみると長谷部一家殺人事件が一位になっていて、この事件がどれほど注目を浴びているのかがわかった。

「それにしても、極悪非道な殺人事件だよな」

「ちんこぶった切るって、普通の神経じゃ出来ねぇよな」

「案外この学校の奴が犯人だったりして?」


ドキッとした。
心臓が激しく跳ねて息が止まりそうになった。

恐る恐る後ろの席に座る慶太を見ると、自分の席でスマホをいじっている。
いつもと変わらない慶太だ。

いつもと変わらないーーー。


「え?」

目を疑った。

慶太はスマホをいじりながら一瞬顔を歪ませて笑った。
その笑みは映画やドラマで見る殺人鬼の笑みに似ていた。

頭痛がする。
気持ち悪くて仕方ない。

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