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わたしはショートケーキが嫌い
第6章 関与している(疑惑)


慶太は俺の顔を見るなり『なんでもない』と答えて手首にしているリストバンドを掴んだ。

口の中がひどく乾いている。
舌も水分がなくてザラザラしている。

今俺の目の前にいる慶太は俺の知ってる慶太なのか?
それとも、メディアを騒がせている事件の犯人なのか?

馬鹿な頭で考えても何も解決しない。
怖いけど、聞くしかない。
だって真相は本人しか知らないんだから。

「なぁ慶太」

お前は俺の友達の慶太?

「なに?」

それともーーー血を浴びた慶太?

一つだけ、一つだけ聞けばいい。

『スクールバッグに入ってる血塗れのハサミはなんだ?』

これだけ聞けばいい。
簡単だろ?ほら早く。早く聞けよ俺!

カサカサの口を開き、俺が発した言葉はーーー

「‥‥‥なんでもねぇ」

なんとも情けない逃げの言葉だった。
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