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わたしはショートケーキが嫌い
第8章 他人事





最初は恭平の変化を気にしなかった。
けど長谷部さんが誘拐されて3日目くらいから恭平の様子に違和感を覚えた。

俺への接し方が丁寧というか、まるで割れ物を扱うみたいにするから勘付いた。

多分恭平は“あれ”を見たんだと。

いつ見たのかは分からない。
だから断言はできないけど、それしか考えられなかった。


俺も抜けていた。
あんな物的証拠を持ち運ぶなんて。


もし見られたなら、幸い恭平でよかった。

他のやつに見られてたら騒がれてたに違いない。


まぁ“あれ”を盗んだところで大した時間稼ぎは出来ないだろうけど。


「‥‥‥今日お前暇?」

「暇だよ」

「飯食い行く?」

「いいよ」

以前よりもぎこちない会話。
少し息がしづらく感じた。

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