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第1章 嵌められた手錠

『今日もいい天気だぁ♪♪』


新婚3ヶ月の新妻・鮎川なつみ【あゆかわなつみ】(20）は、
洗濯カゴを抱えてマンションのベランダに出た。



清々しい朝の空気に、
初夏の空。眩い太陽が降りそそぐ。



洗濯竿に洗濯物を２人ぶん干していく。


鼻唄が自然に出る。




左手の薬指にきらりと輝くダイヤモンド。
にやけてしまう。



5歳上の鮎川悠大【あゆかわゆうた】は、
大手メーカーのサラリーマン。




なつみは肩までのボブヘアをなびかせ、
満面の笑みだ。



＿＿＿＿子どもの頃から夢は『お嫁さん』だったなつみ。


高校在学中にバイト先の飲食店で一目惚れしたお客さんがダンナ様。



お客に逆ナンなんてNGだけど、
なつみは惚れ込んで猛アプローチをした。



悠大はイケメンだ。
仕事も出来る。



2年の交際を経て、
プロポーズされた時は気絶するくらい嬉しかった！






ハワイで結婚式を挙げて、
新婚旅行はバリ島。




新居であるこのマンションが〈愛の巣〉ってわけ。





痩せ型で色白のなつみ。

腰を振りながらカゴを持ち、
室内に戻った。
『♪～♪♪ふんふ～ん♪』



ピンポーン♪♪♪


インターホンが鳴る。


『はぁい♪♪
誰だろ？こんな朝早く』時計は7時40分。宅配便やセールスには早い時間帯だ。

なつみはとたとた走り、
『はぁい？どちらさまですかー？』と訊ねた。