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まほろばマボロシ~仮初めの結婚~
第30章 ギフト
「ここだな…」

そうしてピッとルームキーを手慣れた様子で扱いドアを開けた結翔。

「どうぞ?」

開けると扉を押さえ雅を入れる。目の前に広がるのは本当に今まで見たことの無いような光景だった。

広いベッド…

生活感などない整えられた独特の空間…

「結翔…ここで…ッ」
「雅…」

そっと後ろから抱きしめた結翔。背中に伝わる鼓動は珍しくも少し強く伝わってきた。

「誕生日…遅くなったけどさ…まだ何あげて良いか良くわかんねぇしさ…」
「結翔…?」
「だから…リングと時間しかあげれなくて…」
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