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まほろばマボロシ~仮初めの結婚~
第36章 証
そのまま少し走り、着いた先はラブホテルだった。手早く受付を済ませ中に入るとすぐに雅は結翔の腕に抱き入れられた。

「結翔…」
「何?」
「……////」

その腕はいつにも増して力強く、簡単には解くことが出来なかった。

「結翔…」
「抱いて…良い?」
「待って…////」
「…?」

腕を半ば強引に解くと胸に顔を埋めた雅。

「雅?」
「…今日は…」
「ん…?」
「…せて…」

消えそうな声だった。

その声は部屋に流れるBGMにでさえかき消されるくらいの声だった。

「雅?何…?」
「私に…抱かせて?」
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