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令嬢は元暗殺者に恋をする
第37章 それでも、あなたが好き
「ねえ、私何を聞いても絶対にハルを恐れたりしないし、逃げたりしない。私を信じてハルのこと教えて。ううん、前にも言ったけど、話せることだけでいいから」
「いや……すべてを話さなければ意味がない」
ふっと息を吐き、ハルは力が抜けたように壁に背をあずけ寄りかかる。
窓の外に視線をあて、そして、静かな声で語り始めた。
「三年前……俺はアルガリタの学問所に入り込み、レザンのいや……俺たち組織のことを調べようとした者たちをすべて殺した。彼らに罪はなかった。中にはただ命じられてレザンの調査に参加しただけの者もいただろう。けれど、秘密を知られてしまった以上は生かしておくことはできなかった。それが俺の仕事だったから。それだけじゃない……俺はこれまでたくさんの自分とは無関係の人間を……殺してきた」
低く呟いて、ハルは苦しげに顔を歪めた。
握っていたハルの指先が痙攣するように震えているのに気づき、サラは握りしめ返す。
「もうひとり一緒にいた青年っていうのは誰なの?」
「そんなことも聞かされていたのか……」
一瞬、驚いたというように眉をあげ、ハルは困った顔をする。
「わかりやすく言うなら、俺の師みたいな人だよ。幼い頃、組織に連れられてからずっと、俺にいろいろと教えてくれた人だ。そして、俺を組織から抜けさせるために手をつくしてくれた」
「組織から抜けたということは、今は……」
「いや……すべてを話さなければ意味がない」
ふっと息を吐き、ハルは力が抜けたように壁に背をあずけ寄りかかる。
窓の外に視線をあて、そして、静かな声で語り始めた。
「三年前……俺はアルガリタの学問所に入り込み、レザンのいや……俺たち組織のことを調べようとした者たちをすべて殺した。彼らに罪はなかった。中にはただ命じられてレザンの調査に参加しただけの者もいただろう。けれど、秘密を知られてしまった以上は生かしておくことはできなかった。それが俺の仕事だったから。それだけじゃない……俺はこれまでたくさんの自分とは無関係の人間を……殺してきた」
低く呟いて、ハルは苦しげに顔を歪めた。
握っていたハルの指先が痙攣するように震えているのに気づき、サラは握りしめ返す。
「もうひとり一緒にいた青年っていうのは誰なの?」
「そんなことも聞かされていたのか……」
一瞬、驚いたというように眉をあげ、ハルは困った顔をする。
「わかりやすく言うなら、俺の師みたいな人だよ。幼い頃、組織に連れられてからずっと、俺にいろいろと教えてくれた人だ。そして、俺を組織から抜けさせるために手をつくしてくれた」
「組織から抜けたということは、今は……」

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